TOPページ > 検定試験突破マニュアル > 準1級&1級試験突破マニュアル
前章で述べた中検2級が「中国語の仕事もできる」レベルとすれば、準1級は「中国語を武器に仕事ができる」レベル、そして1級は「中国語を仕事にできる」レベルとなります。このように、ハイレベルの中検合格実績は中国語上級者へのパスポートとも言えますが、それだけに難易度もきわめて高く設定されています。リスニング・文法・作文ともに、かなりの語彙力と中国文化への知識を要求されるため、長期の中国への語学留学経験や、外国語大学で専門的に学ぶなどしていない限り、全く歯が立たないことも考えられます。ただ、腕に覚えのある学習者にとっては、格好の目標となることでしょう。
準1級と1級の1次試験は試験問題が似通っており、また、中検初受験でいきなり1級にチャレンジする人はほとんどいないと思われるため、ここでは準1級合格の傾向と対策を中心に紹介します。
準1級のリスニング試験は、大きく二つの大問に分かれています。大問の1は、中検2級のリスニング試験とほぼ同じ形式なので、同試験を受けた経験のある人は準備がしやすいでしょう。ただし、文章や単語のレベルは大幅に上がっており、略語や古典知識も必要となるため、気は抜けません。大問2は、読み上げられる中国語文を解答用紙に書き取るものです。読み上げ文はネイティブの話す速度と比較するとかなり遅く、中国留学などで生きた中国語に触れる機会の多かった人であれば、テープのスピードについて行くことは難しくないでしょう。ただし、問題文それ自体の難易度が高く、また耳で聞いた漢字を1文字ずつ確実に書くことが要求されるため、受験者泣かせの問題となっています。リスニングよりも、単語の記憶力と確実なライティング能力が要求される部分と言えるのではないでしょうか。
筆記試験は、長文読解及び穴埋め問題・単語を選択して穴埋めする文法問題・文意の近い単語を選択する問題・長文読解及び中日翻訳・日中翻訳作文の五部分に分かれます。難解なことわざや、かなりの文法知識が要求される類語の区別などの手ごわい問題が多く、厳しい試験です。小学館や大修館など、大手のしっかりした辞書を引き、類語や反対語に関するコラムを熟読することをお勧めします。地道に単語と例文をノートにまとめるなど、シンプルな努力が実を結ぶでしょう。出題されやすい単語や例文にはある程度の傾向があり、似たような問題が意外と何度も出題されることがあるので、過去問題に多くあたって研究を重ねるのも有効な対策です。
このレベルまで来ると、合否の鍵は単なる勉強時間の多少ではなく、学習を通じてどれだけ「活きた」中国語に触れてきたかにかかってくるように思います。留学や日本国内での学習方法については第9章と第10章に詳述しているので、参考にしてみてください。
■今では、インターネットによる通信講座も色々なものが出てきました。生涯学習のユーキャン「ピンズラー中国語」やスピードラーニング中国語など色々なものが出ています。色々ありますので自分にあったものを見つけて活用するようにしましょう。